｢身近な相談窓口｣に

　○…介護事業のほか、交流イベントなどで住民同士の絆を育む役割を果たす施設のリーダー役に抜擢された。所長は今回が初経験。住民の地域活動を支える仕事などで心得た「ケアプラザは地域の身近な相談窓口」という信念を大切にし、質の高いサービスに努める。

　○…栄区出身。大学卒業後、知的障害者の通所施設に就職したが、将来のことを考えて４年で退職し、福祉とは関係がない営業職に転職した。日々、成果が求められて重圧を受ける中、通所施設で働いていた時に周囲からよく掛けられた「ありがとう」という感謝の言葉が脳裏をよぎった。「誰かの役に立っているという充実感が仕事への意欲を高めていた」と考え、営業職を１年で退職。清水ケ丘地域ケアプラザなどを運営する横浜市福祉サービス協会で新たなスタートを切った。

　○…これまでに緑区や青葉区などの地域ケアプラザに勤務。住民とまちの情報を掲載した冊子を作ったり、女性が子育てに関する悩みなどを共有する講座を取りまとめるなど、住民目線に立った事業に携わってきた。自身は中学生と小学生の娘を持つ父親。「子育ては妻に頼りっぱなし」と謙遜するが、娘が小さい時は毎日30分間の散歩に連れて行ってコミュニケーションを図るとともに、「妻が一人になれる時間」を創出。今でも家族が楽しく過ごせるように工夫を凝らし、「子育て広場で聞いた『お母さんたちの声』が参考になっている」と感謝する。

　○…過去には「家の電化製品が壊れた」などの生活に関する困り事の相談を受け、まちの電気店を紹介したこともある。「高齢者の健康づくりにとどまらず、皆さんの生活に目を向けたい」ときっぱり。「一生懸命」をモットーに、思いや感情に寄り添っていく。