｢楽しい｣、踊りに込める

　○…六ツ川に住んで25年。南区の子育て支援者との出会いがきっかけで踊りの楽しさを発信し、今は乳児から高齢者までを教えている。「ダンスを純粋に楽しむ皆さんを見ると、自分も楽しくなる。健康づくりだけではなく、コミュニケーションを深める場にしたい」とコンセプトを掲げる。

　○…小学校から高校までバレーボール部に入り、日本体育大学でもプレーを考えたが、体格のハンディなどで入部を断念。「子どもの頃から運動が得意だったのでショックだった」と挫折を味わった。そんな時、集団でリフトなどの技を披露する「体操部」が目に留まった。「器械体操ではなく、ダンスの要素が強いところが新鮮だった」と入部した。１学年上には「体操のお兄さん」として知られる佐藤弘道さんが在籍するなど、先輩の演技を見て体に叩き込んだ。当時の仲間とは今でも交流し、在校生が出場する大会の応援に駆けつける。「かけがえのない友人がたくさんできたので、体操部に入って本当に良かった」

　○…卒業後、会社員などを経てダンサー兼インストラクターとして活動。バレエ、ジャズ、ヒップホップのレッスンを受けて腕を磨き、有名テーマパークのダンサーのオーディションに合格した。時には６種類の振り付けを３日間で覚え、１回約40分間の公演をこなした。精神力も体力も鍛えられ、「自分のダンスで人を楽しませたい」という気持ちが強まった。その強い思いを今も持ち続け、指導者として自分も全力で楽しむ。

　○…知的障害のある人を対象としたレッスンを六ツ川地域ケアプラザで行っている。「簡潔に短い言葉で伝えることを意識している」といい、長所を伸ばす指導を大切にする。踊りの楽しさを幅広い人に発信していく。