経験の蓄積　視野広がる

　○…海外交易が盛んではなかった明治中期から植物類の輸出入業務を行うなど、各国の園芸文化に影響を与えてきた園芸会社のリーダーを担っている。地域に根差した社会貢献活動を推進する社内チーム「ナーセリー委員会」の委員長を務め、社員の挑戦を近くで後押しする。「マネジメントする側として、一人ひとりの個性が尊重される風通しの良い職場づくりに貢献したい」といい、社員とフランクに接する。

　○…東京都出身。大学卒業後、大手の電気機器販売メーカーに就職し、定年まで勤めた。営業・マーケティング畑を歩み、海外勤務で研ぎ澄まされたのが「相手の立場に立ち、多面的に物事を考える力」。日本国内のニュースなどから、良い印象がなかった国で生活し、現地の人に親切にされたことで、その国の印象が１８０度変わったという。「自分の目で直接確かめる過程を怠ってはならない」と考えるようになり、広い視野で会社を見る力が問われる会長職に生かされている。

　○…定年後、マネジメント力などを買われ、親族が経営に携わっていた横浜植木に入社。会長に就任する前の２年半、北海道支店の支店長を任された。地元の園芸の発展に貢献したオピニオンリーダーを顧客に持ったことが「現場で何が求められているか」という視点を養うきっかけになったとか。家庭菜園に挑戦し、枝豆やパプリカを育て、生産者の気持ちを理解しようと努めた。「経験の蓄積が知識となる」

　○…５年前から落語に目覚め、横浜にぎわい座にも足を運ぶ。「落語を聴くと現実の生活から離れた『アナザーワールド』に引き込まれる。こうした気分転換も大事」とにっこり。広い視野を持ち、ビジネスだけではなく、地域活動の側面からも横浜を支えていく。