子ども思い、まちに尽くす

　○…六つ川小学校と連携して、12月６日にサクラソウやチューリップの球根を六ツ川一丁目第五公園などに植え付け、公園を掃除した。43年間、六ツ川で暮らし、今では故郷の福島のように思い出が詰まった場所だという。「コロナ禍が落ち着き、地域活動が少しずつ活発になってきた。まちと学校の架け橋になりたい」と思いが熱い。

　○…関東学院大への進学で横浜に。結婚を機に六ツ川へ移り住んだ。「横浜でありながら自然を感じられる場所でなじみやすかった」といい、すぐに地域に溶け込んだ。40歳で六ツ川大池連合子ども会の会長に就任。当時は男性の会長が珍しく、「歴史を作った」と冗談めかして笑う。平日は仕事、土日は子ども会の活動という生活が続いたが「何よりも子どもの笑顔が見られるのがうれしかった」と振り返り、休日返上という感覚はなかったとか。今は六ツ川上第二自治会の会長などを務めている。

　○…３年前、六ツ川大池地区に子どもの居場所「子どもフリースペース” いらっしゃい ”」を設立。その中で、こども食堂や映画会を企画し、地域に新しい風を吹き込む。チャレンジ精神の原点はコンサルティング会社での勤務。「自分の提案が却下されることは日常茶飯事で、相手の心をつかむプレゼンをいつも考えていた」と述懐し、その経験が地域活動に活かされているという。

　○…地元店からこども食堂の食材支援を受けることもあり、「まちのつながり」に感謝する。食堂を貧困やフードロスの改善といったＳＤＧｓの取組につなげ、「本当に必要な人が利用できる仕組みにしたい」と次のステージを見据える。出身大学の校訓「人になれ 奉仕せよ」がモットー。子どもの居場所の発足を追い風に歩みを進める。