保土ケ谷中学校の卒業生で世界チャンピオンにまで上り詰めた元プロボクサー 大橋 秀行さん 51歳
夢を夢で終わらせない
○…「世界チャンピオンになる」――。純真無垢な15歳の少年が文集に綴った決意だ。その確固たる思いがぶれることはなく、24歳の時、3度目の世界挑戦で念願のベルトを腰に巻いた。「すべての始まりは中学3年生の時。保土ケ谷中学校時代にある」。現役当時、軽量級ばなれした強打を支えた拳を「ギュッ」と握り締めた。50歳を超えても、そこは強者を倒してきた世界王者。迫力がみなぎる。
○…5歳違いの兄の影響で小学生時代からおもちゃのボクシンググローブを手にし、中学入学と同時にジムに通い始めた。中学3年の頃には日本王者とも互角に渡り合うまでに。後に「150年に1人の天才」と称された稀代のボクサー。ダイヤモンドの原石はすでに輝きを放ち始めていた。
○…恩師の一人が中学時代の担任教諭。軽量級に世界奪取の道を見出そうと考えた少年は弁当を食べない生活を続けていた。そんな少年に規則正しい生活を求める担任に「夢なんだ」と思いの丈をぶつけた。「夢を夢で終わらせるな」と少年の強い思いを受け止めた、その恩師はいま、現役引退後に開いたジムに通っている。
○…ここ一番で聞く曲がある。海援隊の「贈る言葉」。「世界チャンピオンになる」と誓った頃に放映されていたドラマ「3年B組金八先生」のテーマ曲だ。「世界を目指した頃の心に戻れる」。自身が会長を務めるジムに所属する選手の大一番も会場に向かう車中には決まってこの曲が流れる。
○…「いま考えれば子どものころから5年後、10年後を見てプランを立てていた」。プロボクサーとしての生活が始まると同時に引退後の「セカンドキャリア」を見据えた。ジムを開き、自分の手で世界チャンピオンを生み出す。当時、描いた人生設計は成就し、すでに4人の世界王者を輩出した。「10年後、ボクシングをもっと人気スポーツに」。夢物語で終わらせるつもりは毛頭ない。
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