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保土ケ谷区 人物風土記

公開日:2021.05.13

「郵便局スタジオ」でカメラマンを担当した
山田 真由美さん
坂本町在住 50歳

「この瞬間」を大切に

 ○…長年勤めた介護の仕事を離れ、50歳を目前にした昨年1月、カメラマンとして新たなスタートを切った。普段は出張撮影のほか坂本町の自宅をスタジオに、高齢者のナチュラルな表情を写真に収める。今の仕事は「好きなことの寄せ集め」だ。「60歳には10年もキャリアができる。60歳で『楽しい』と思える人生なら、その先はきっともっと楽しい」。未来の自分が輝くために「今この瞬間」を楽しみながら挑戦をつづける。

 ○…介護施設で働いていたときのこと。認知症で攻撃的になっていた女性にマニキュアを塗ってあげると、これまでの暴言がピタッと止まった。爪が綺麗になるとメイクに興味が湧く。メイクをすると髪も気になる。美容院にいくには、歩けるようにならないと--。そうして元気になる高齢者を何人も見てきた。「美容の力はすごい」。気づいたらあっという間、仕事と並行して通信制の美容学校に入り、綺麗な姿を残すためカメラを手に取り、ライティングや加工技術を学んだ。

 ○…「女は何歳になっても女。美に貪欲なんです」。爽やかに言い放ち、カラッと笑う。それでも、綺麗になって喜ぶのは女性だけではない。「おばあちゃんが綺麗になるとおじいちゃんも喜ぶ。夫婦の撮影で、旦那様が優しい眼差しで奥様を見つめる姿を見ると、たまらない」。そしてそんな、ふとした瞬間を形に残せることが「幸せでやりがい」だ。

 ○…趣味もカメラ。人や動物のミニチュアで遊び心溢れる写真を撮影する。「笑ってもらうのが好き」と話しながら開けた自宅の冷蔵庫には、卵の殻からヒヨコのミニチュアがひょっこり。「自分でも馬鹿なことしてるなあって思う」。少女のような茶目っ気たっぷりの笑みを浮かべた。

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