「かながわアートホール」の館長としてユニークな企画を生み出す 馬場 洋一さん 花見台在勤 72歳
柔軟な発想で「楽しむ」
○…「仕事は楽しく」。この信条が全ての根幹にある。県立保土ケ谷公園内にある「かながわアートホール」の館長に着任して丸5年。ホールの改修に合わせ屋根の色を利用者や地域住民の投票で決める「屋根色総選挙」、音楽ホールならではの音響環境をいかした「名作映画会」。柔軟な発想でユニークな企画を次々と生み出す。
○…戦後まもなく兵庫県明石で生まれた。中学1年生の時に横浜へ移り住んで以来の「はまっ子」。大学時代にマーケティングを学び、TVKに開局1期生として入社。営業畑を歩んできた。「色々な業界の人と会って勉強させてもらってきた。これが財産。いまに活きている」。敷居を下げて身近なホールにしていきたいと生み出される取り組みの柔軟な発想の源はここにある。
○…少年時代、胸に抱いた夢をコロナ禍の「おうち時間」で実現させた。「庭にでかい池を作りたかったんだ」。ホームセンターで資材を調達し仕上げた池には睡蓮が見事な花を咲かせ、メダカが泳ぐ。その姿を鑑賞するのが息抜きのひと時。「アライグマが出てメダカにちょっかいを出すんだよ」。スマートフォンを開き、池の前に備え付けたライブカメラの様子をのぞき込む。
○…「小さなホール」を自認するからこそ、人間力に重きを置く。館長就任当初、半年間は「観察期間」と決めた。次々と見えてくる課題点。その多くが「お客様目線を意識すること」で解決できるものだった。あれから5年、ホスピタリティに満ちたホールはコロナ禍でも前を向き、動画配信など「今できること」を続けてきた。「スタッフが同じ方向を向いている。社会人になって50年の中で今が一番楽しいよ」。満面の笑みに充実の時を伺わせた。
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