保土ケ谷区 コラム
公開日:2025.09.18
日蓮宗樹源寺 権住職 日比(ヒビ)宣仁(センジン) 連載53
法話箋 〜鹿苑〜
「桃李不言」
司馬遷(しばせん)(紀元前2〜1頃)の『史記(しき)』李将軍列伝(りしょうぐんれつでん)には、「桃李不言(とうりふげん) 下自成蹊(かじせいけい)」という記述が見られます。書き下すと、「桃李(とうり)はもの言わざるも、下に自(おの)ずから蹊(みち)を成(な)す」となります。桃(もも)や李(すもも)には口がなく、何も発言はしないけれど、美味な果実や美しい花を咲かせるので、自然と周囲の人々が寄っていき、その木の下には自然と小道ができる、といった意味です。これは、司馬遷が、前漢(ぜんかん)の将軍李広(りこう)(?〜前一一九)の人徳を讃える為(ため)に引用した諺(ことわざ)です。つまり、自分のやるべきことを見出し、黙々とそれに取り組めば、敢(あ)えて自らの行いを世間に発信せずとも、人知れず積まれた徳を多くの人が慕うようになる、ということでしょう。ここで注意すべきは、「自分のやるべきこと」が、自分の利益(りやく)のみを考えたものでは駄目である、ということです。桃も李も自らの為(ため)だけに実をならしているわけではありません。桃李(とうり)の果花(けか)は自然界との調和の上で成り立つものだからです。
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