保土ケ谷区 コラム
公開日:2025.10.23
日蓮宗樹源寺 権住職 日比 宣仁(ヒビ センジン) 連載54
法話箋 〜鹿苑〜
「日蓮宗大荒行堂」
毎年十一月一日から翌年二月十日までの百日間、千葉県市川市の中山法華経寺(なかやまほけきょうじ)では、日蓮宗(にちれんしゅう)大荒行(だいあらぎょう)という修行が開催され、全国から約百人の日蓮宗の僧が修行に臨みます。大荒行の起源は、日蓮(一二二二〜一二八二)の弟子、日像(にちぞう)(一二六九〜一三四二)が、師の悲願であった京都布教の成就を祈り、鎌倉由比ヶ浜で冬の間の百日間、海水に浸かり読誦修行(どくじゅしゅぎょう)をしたことに求められます。また、日蓮が在世当時、『法華経』の教えを根拠として、信徒の厄除(やくよけ)や当病平癒(とうびょうへいゆ)の祈願をしていた記録もあり、そういった祈祷の潮流と、日像が行じた寒行が次第に融合し、江戸期には祈祷をするに耐えられる心身の鍛錬の場としての荒行の萌芽が見られます。『祈祷故事略旨(きとうこじりゃくし)』には、「加行期限毎歳(けぎょうきげんまいとし)十一月一日を以て開堂(かいどう)とし、二月十日を以て閉堂(へいどう)とす。」と見られ、明治九年(一八七六)には加行(けぎょう)(荒行)の期間が制定されました。令和でもこの伝統は続き、後世に受け継ぐべきものでしょう。
ピックアップ
意見広告・議会報告
保土ケ谷区 コラムの新着記事
コラム
求人特集
外部リンク
- LINE・メール版 タウンニュース読者限定
毎月計30名様に
Amazonギフトカード
プレゼント! -

あなたの街の話題のニュースや
お得な情報などを、LINEやメールで
無料でお届けします。
通知で見逃しも防げて便利です!










