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保土ケ谷区 コラム

公開日:2026.08.27

日蓮宗樹源寺 権住職 日比(ヒビ)宣仁(センジン) 連載64 法話箋 〜鹿苑〜 「十界(じゅっかい)」

 十界(じゅっかい)とは、地獄界(じごくかい)・餓鬼(がき)界・畜生(ちくしょう)界・修羅(しゅら)界・人(にん)界・天(てん)界・声聞(しょうもん)界・縁(えん)覚(がく)界・菩薩(ぼさつ)界・仏(ぶっ)界の十種の世界のことです。このコラムの読者の皆さんは、大体人界に生を受けている筈(はず)です。このように、私たちが生きている世界のことを十界と呼ぶ場合もありますが、中国で成立し、日本仏教の母体となった天台宗(てんだいしゅう)の思想では私たちの心の中にも十界を認めます。六世紀の中国の『法華玄義(ほっけげんぎ)』という書物には、「凡夫(ぼんぶ)の一念(いちねん)に即(すなわ)ち十界を具(ぐ)す。」とあります。私たちは人界に生(せい)を受け、人相応(ひとそうおう)の心を持っています。しかし、『法華玄義』が示す通り、私たちの心には十界が具(そな)わっているので、人界に生きながらも、人を憎み恨んだりして地獄の如き心をもったり、互いの所有物を取り合おうとする畜生のような思考に走ったり、葛藤の末、修羅の心になったり、他者の為に汗水を垂らして仕事をし、菩薩のような様相を呈することもあります。普段からの心持ち次第で、私たちは仏になることも可能なのです。

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