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保土ケ谷区 コラム

公開日:2026.10.22

日蓮宗樹源寺 権住職 日比 宣仁(ヒビ センジン) 連載66 法話箋 〜鹿苑〜 「近年の多様性について」

 『法華経(ほけきょう)』に説かれる十如是(じゅうにょぜ)という法門は、人間を含めた事物が各々主体(相(そう)・性(しょう)・体(たい)・力(りき)・作(さ))を持ち、それらが互いに影響しあい(因(いん)・縁(えん)・果(か)・報(ほう))、世の中を構成していることを説きます。個々の主体がお粗末になれば、世間全体もお粗末になることは想像できるでしょう。その逆も然りです。近年の人々が口にする「多様性を認める社会」とは、「様々な種類の個が社会構成の一端を担うことを認める」といった意味合いで捉えられます。しかし、「多様性」を強調するあまり、社会の一分を担うべき「個」の主体性が近年では等閑視されているように見えます。「仕事ができない」「やる気がない」ことを個性として認めるのではなく、社会の一翼を担うに耐えられる人格(主体)の形成を諦めてはなりません。各個人が有する能力や得意分野を己(おのれ)が理解し、それを磨き、それによって完成した耐久性のある人格同士が助け合い、方(はじ)めて多様性を認める社会が実現すると想われます。

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