つるみキャンパスで朝市を企画する 佐々 徹さん 横浜商科大学商学部教授 47歳
ビジネスじゃなく商いを
○…大学で講義をするかたわら、商店街のイベント企画などにも携わる地域活性化の仕掛け人。最近では非常勤講師らと地元の商店を呼び込み大学内で朝市を始めた。今年3月から月1回開催し、毎回約1000人が来場する盛況ぶりだ。「商店街の人に自分の商売を見つめ直してほしくて。朝市ではただ商品を並べても客は来ない。声を掛けたりにおいを出したりパフォーマンスが必要。いろいろなことを試して、普段の営業につなげてほしい」
○…生まれも育ちも保土ケ谷区。これまで横浜から出たことがない。大学受験で第一志望の法学部に落ち横浜市大商学部へ。経営学を学んだ。「まだ若い学問だから自分で新しいアイデアを作れるのが面白くて。創作好きの性に合っていた。法学部落ちてよかったと思ったぐらい」。商店街支援の原点は、学生時代に出会った乾物屋。売れ筋だった塩鮭をもっと宣伝すれば評判になると提案したが断られた。「同じ塩鮭を売っている近所の魚屋に悪いと。小さい頃から世話になっているからってね。その時日本にあるのは効率や戦略を重視するビジネスではなくて、相手を思いやる商いなのだと思った」
○…一つに束ねた腰ほどまである長い髪がトレードマーク。「15年ぐらい切ってないかな。切るのが面倒で」。教授なのに本を読むのは嫌い。「もちろん若い時はたくさん読みましたけどね。いろいろな人に直接会って、目で見て耳で聞いて学ぶことも大事」
○…ライフワークとして伝えていきたいのは、家業の良さ。「地域に密着して家族で支えあい食べていく家業が、地域の文化的豊かさを作っている」。大手企業が増え地域の画一化が進んでいるからこそ、家業を伝え文化を守ることを通じて、多様性を取り戻したいという。時代がどんなにグローバルになろうとも、とことん地域にこだわるつもりだ。「私は一生横浜から出ないつもりです」
|
|
|
|
|
|