神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
鶴見区版 公開:2012年8月30日 エリアトップへ

生麦事件参考館で事件の歴史を語り継ぐ 淺海(あさうみ)武夫さん 生麦在住 82歳

公開:2012年8月30日

  • LINE
  • hatena

噺家のごとき語り部

 ○…「生意気だけど、今私は時の人かもしれないね」。1862年8月21日、薩摩藩士が英国人を殺傷した生麦事件から今年で150年。館長を勤める生麦事件参考館には国内外のメディアが取材に訪れ、スケジュールはびっしり。周囲からは「先生」と呼ばれ尊敬を集める。

 ○…生麦の酒屋の家庭に生まれ家業を継いだ。「本当は絵描きになりたかったんだけれど。父が倒れてしまって。仕方なくだった」。当初は気の進まなかった家業だが、やがて酒の道具を集めた資料館を作ろうと思いつき、1994年に実現。同時に生麦事件参考館も設立させた。きっかけは鹿児島から事件の碑を見に来た男性との出会い。生麦事件は近代国家成立の発端なのに資料を見せる場がないのかという手紙をもらった。「その言葉にうたれまして。地元で長くごはんを食べさせてもらっているし、自分にできることをして恩返ししたいとも思った」

 ○…1976年から生麦事件に関する資料や文献を国内外から収集。当初は事件の資料はほとんど残っていないため集めるのは無理だと言われていた。「凝り性なんです。やりだしたらとことんやらないと気がすまない」。没頭する姿を支えてきたのは妻。参考館に不在の時は妻が見学者の対応をしていた。「きっちり対応してくれるから私がいなくてもよかったなんて言われたこともあった。ここまでできたのはカミさんのおかげだと思う」。妻は昨年8月に亡くなり、就寝前仏壇に話しかけるのが日課になっている。

 ○…参考館の見学者には自らガイドをする。噺家のようにテンポのいいしゃべり口に惹きつけられる。地元の人向けには地元らしいエピソードを織り交ぜるなど、聞き手に合わせ内容も変える。取材中も手元にあるペンを噺家の扇子のようにペチンと叩く音が軽快に響く。「地元のためにも私が死んだ後もこの参考館を残していきたい」
 

鶴見区版の人物風土記最新6

中西 実さん

鶴見警察署の署長に新しく就任した

中西 実さん

区内在住 57歳

4月18日

河原 公一さん

4月20日に「春まつり」を行う馬場花木園で園長を務める

河原 公一さん

馬場在勤 63歳

4月11日

鈴木 彩香さん

2023年度の横浜市男女共同参画貢献表彰で「ユース賞」を受賞した

鈴木 彩香さん

鶴見区出身 34歳

4月4日

池田 茂さん

青少年指導員として、インターネットの安全な使い方講座の講師を務めた

池田 茂さん

鶴見中央在住 60歳

3月28日

冨樫 剛一さん

2月から横浜F・マリノスユースの監督を務める

冨樫 剛一さん

横浜市出身 52歳

3月21日

池原 繁尊さん

塗装会社を営み、ボランティアで母校潮田小学校のすべり台の塗装を行った

池原 繁尊さん

仲通在勤 42歳

3月14日

意見広告・議会報告政治の村

あっとほーむデスク

  • 7月14日0:00更新

  • 7月7日0:00更新

  • 4月7日0:00更新

鶴見区版のあっとほーむデスク一覧へ

イベント一覧へ

ハープで名曲奏でる

みなとみらいホール

ハープで名曲奏でる

4月27日にコンサート

4月27日~4月27日

鶴見区版のイベント一覧へ

バックナンバー最新号:2024年4月18日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook