寶泉寺 90年ぶりの修復へ 来年4月完了目指す
下末吉にある曹洞宗長谷山寶泉寺(ほうせんじ)(松阪秀宣住職)は今、約90年ぶりの本堂の修復工事の真っ最中だ。工事は今年1月から始まっており、来年4月の完了を目指している。
寶泉寺は、1503年創建。開いたのは間宮新左門信冬。信冬はある日、3羽の白鷺に導かれ、泉が湧き出る末吉山に出会う。泉の美しさに心動かされた信冬が、その場所に建立したのが由来とされる。
屋根裏にハクビシン
創建後本堂は、1926年の大みそかに漏電がもとで全焼。翌年再建したものが現在の建物だ。以来85年間、大がかりな工事をしたことはなかったという。
修復を考え始めたのは10年程前からだった。「瓦も傷み、雨漏りもひどかった。天井裏にハクビシンが住み着いたこともある」と松阪住職は語る。
ちょうど同じ頃、先代の住職が倒れた。病状は悪く危険な状態が続いたため、計画は一時頓挫。先代住職が亡くなり、1周忌を終えて落ち着いた今年1月末からスタートした。
工事は本殿の屋根、壁、床など、全面的に修復や補強を行う。「寺の中には建て替えてしまうところも多く、修復は珍しいのではないか。柱や彫刻の装飾など残せるものは残し、歴史は残していきたい」と松阪住職は話していた。
近隣住民も注目
工事が始まると、墓参りに訪れる人々から「大変ですね」「いつできるの」などと声をかけられるようになったという。
毎朝散歩の途中にお参りするのが日課だったという寺近くの理容店店主は、「出来上がるまでは当分おあずけだね」と完成を待ち望んでいた。
工事完了を祝う落慶式は来年4月に行われる予定。
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つるぎん27日に4月25日 |
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