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鶴見区 人物風土記

公開日:2012.11.01

CIAL(シァル)鶴見の初代店長として施設をまとめる
荒川 亨さん
小田原市在住 58歳

商いに挑む「国鉄マン」

 ○…昨年11月1日、シァル鶴見を運営するJR東日本の子会社(株)横浜ステーシヨンビルに入社した。「開業日と同じ。縁を感じる」。関わった約1年の準備期間、買い物袋からトイレットペーパーなど、利用者を考えながら一つずつ決めてきた。責任者として一から作り上げた施設。「今までは使う側だったからね。決めることが多くて大変だった」。本音をもらして笑う。「初日が終わって、初めていろいろ実感するのかな」

 ○…宮城県出身。1974年、「国鉄マン」に憧れ、国鉄に入った。実は、鶴見での勤務は初めてではない。旧国鉄時代の84年、鶴見線の浅野駅で勤務の後、06年には、駅長として鶴見駅の舵とり役を担った。「駅にいたころ、三ツ池や獅子ヶ谷の方へハイキングに行ったこともある。いいところがたくさんあって、好きですよ」と、鶴見の印象を語る。

 ○…妻と二人暮らし。3人の娘はみな嫁いだ。「孫が4人。スポーツをしていて、妻と内緒で見に行ってる。孫の追っかけです」。そういって目尻を下げる。休日は友人とバイクでツーリングに出かけるのが息抜き。だが、ここ1年はめっきり回数も減った。「9月に無理して一度行ったけど、またしばらく行けなくなるだろうね」

 ○…妻と買い物に行っても、「店内を歩きたくない」と、ベンチで休憩していたほど興味のなかった商業施設。店長となってからは「180度変わった。今では自分から妻を誘ってる」と苦笑い。初めて踏み込む「商い」という業種を学ぼうと、評判を聞けば関西や九州まで見て回った。「禅カフェや枯山水の屋上庭園など、日本の伝統と文化を造り上げた。横浜にも川崎にもないビル」と自負する。周囲から鶴見の起爆剤になってほしいという期待の声も届いている。「毎日何かイベントをやっているワクワクするような施設にしたい。地域の人と一緒になって作っていければ」。新駅ビルの運行が始まる。

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