「マロニエ」の会長としてボランティアに励む 小林 忠男さん 矢向在住
「コバノミクス」で温かく
○…「優しさ・思いやり・あったかさ。この3本の矢が一つでも欠けたらボランティアは続けられない」。アベノミクスならぬ「コバノミクス」を提唱し、矢向・江ヶ崎を中心に活動するボランティア団体「マロニエ」の会長として、高齢者や障害者の居場所づくりに尽力している。毎月第1日曜日に矢向地域ケアプラザで開催されている、歌謡曲などをみんなで歌う「歌声喫茶」。その集まりには「ハッピー小林」の名で出演。軽妙な語りと豊かな歌声で会場を盛り上げる。
○…生まれは栃木。経営コンサルタント会社を立ち上げ、全国を講演で飛び回ったアイデアマンだ。ボランティア活動を始めたのは退職後。自慢の話術を活かした司会業を軸に、第二の人生を歩みだした。矢向に住み始めたのは8年前。「地域のみんなと知り合うきっかけが欲しかった」と、マロニエに参加。1年後には会長に就任した。「みんながやらないことをやらなきゃいけないから大変」と語るが、影での努力は人前で見せない。表情からは苦労に見合った充実感が漂う。
○…「矢向のサブちゃん」と冗談めかすほど、大のカラオケ好き。「腹筋が鍛えられるから健康にいいんだよ」と語るように、健康維持には人一倍気を使う。体力維持のため、毎朝30分かけて三ツ池公園まで歩き、園内を2周するのが若さの秘訣。「歩くのが一番。高血圧の妻にウォーキングと食後の納豆を1年間続けさせたら、正常値まで下がったよ」。ふくらはぎの筋肉を自慢げに見せつけて笑う。
○…東日本大震災以降、避難生活を強いられている人の現状に心を痛め、「何とか歌声喫茶の温かさを避難所に届けたい」と熱く語る。「感動をみんなに与えたい」。辛い思いをしている人にこそ歌声をと、現地でできることを懸命に画策中だ。「ボランティアは自分の一生かけての仕事。ありがとうの一言で報われる」。温もりを届けるべく、3本の矢を放ち続ける。
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