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鶴見区 人物風土記

公開日:2015.08.20

横浜商科大学新学長に就任した
小林 雅人さん
東寺尾在勤 59歳

人生のヒント伝えたい

 ○…商学部のみの単科大学学長としては意外な経歴を持つ。専門は水産海洋学や海洋環境学。学生たちが学ぶビジネスとは一見畑違いに見えるが、「商業の理論を教えるだけが商学じゃない」と言い切る。「教えている環境科学や統計学はすぐに商売にならなくても、ヒントになる。学生たちが専門を深めるためには必要な学問」。就任には不安もあったが、「一人ずつ会社を作れるような、起業精神を在学中から育てていきたい」と意欲を見せる。

 ○…幼い頃から父に釣りへ連れられ、魚などの生物と戯れていた。小学生の時にはすでに研究者を志す。「白衣を着てフラスコを振ったり、発明することに憧れがあった」と照れ笑いする。大学時代に卒論指導を受けた教授の影響で教員として好きな研究を続けることを選んだ。「研究室で、専門分野だけでなく、政治や経済まで幅広く学生目線で話してくれた」と振り返る。自身も、「人生のヒントを伝えられたら」と学生と向き合う。「教え子の人生に影響を与えることができれば、教員冥利につきる」

 ○…研究調査のため各地へ飛び、時には海外にも出張する。エルニーニョ現象の調査のため、年2回ペルーまで赴くこともある。多忙な毎日の中でも家庭菜園の世話が癒し。幼少期から祖父母に土仕事を習っていたという。「毎年1種類ずつ育てていて、今はナス。成長が目に見えるとうれしい。奥さんも喜ぶしね」

 ○…3月に協定を結んだ鶴見区との連携も今後さらに深めていくつもりだ。「最近では1年生が鶴見のミニツアーを企画する演習も実施した。若い発想を地元に還元できれば」。商大は2016年、50周年を迎える。理系出身者らしく、記念として蛍が生息できるようなビオトープが作れないかと夢を描いている。「鶴見の隠れたスポットになるし、学生の自慢にもなるのでは」と笑う。学生が可能性を伸ばし満足できる学校作りへ、先陣を切っていく。

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