凧作り講師として地域の子どもたちへ教える 竹内 澄男さん 鶴見中央在住 79歳
大空の下、のびのび育て
○…古くから新年の風物詩となっている凧揚げ。この時期は毎年、凧作りの名人は忙しくなる。地区センターや学校で子どもから大人まで凧を教えて10年。「子どもたちが『できた』ってにっこり笑う顔を見るのがやりがい。大人も子どもや孫に教えたいと言ってくれる」とうれしそうに語る。子どもへは「遊びながら教える」ことが流儀。「また来たい」という声も多く、冗談を交えた親しみやすい教室で、子どもたちの心をつかむ名人でもある。
○…静岡県出身。10代後半で親戚を頼り鶴見へ。地元では人付き合いの苦手な青年だったが、性格は変わっていった。「自分と同じ境遇の地方出身者が多く、仲良くなれた」。凧作りは幼い我が子にせがまれたのがきっかけ。小さな頃の記憶をたどりながら作ったものの、どうしても揚がらなかった。そんな親子の側で凧揚げをしていたのが、近所に住んでいた先輩名人。見事な腕前に感動し声をかけると、「もっとやりたかったら家においで」と誘われ、以来通いつめで作り方を教わった。「飛行機、竹とんぼも作れる本当に手先の器用な人で、人間国宝にしておきたかった」。師匠はこの世を去ったが、今では自らが名人となって技術を受け継いでいる。
○…週に1回、配食ボランティアにも参加。活動歴は10年以上で表彰も受けた。訪問する高齢者には必ず一声かける。「『風邪ひかないでね』とかね。うれしそうな顔をしてくれる」。健康の秘訣は毎日の鶴見川の散歩や、NHKを見ながらの体操。妻に連れられて時折行くカラオケで五木ひろしを歌うのも楽しみだ。
○…凧作りを通して、子どもたちがのびのびと成長してくれることが願い。「つい手助けをしてしまう親もいるけれど、子ども自身が自由に考える場にしていきたい」。「失敗を恐れず思い切って」という姿勢は師匠からの教えでもある。今年も正月の空に、子どもたちの思い思いの凧が揚がる。
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