第14代鶴見消防団長に就任した 香取 正彦さん 獅子ヶ谷在住 61歳
家族背に、”いざ”を守る
○…8月30日、横浜市長からの辞令を受けた。副団長を務めていた約3年、団長の仕事を間近で見て、代行も経験した。それでも感じる重責。「災害時、団長の動き一つ、判断一つで大きく事態は変わる」。地域防災の要と言われる消防団の責任者。「もう一度改めて、自分なりに何ができるか、考えたい」。入団39年目の大役に身を引き締める。
○…生まれも育ちも獅子ヶ谷。父も団員だった。「背中を追うっていうわけじゃないけど、代わりに入った」。自分のまちは自分たちで守るという地域防災。やりがいは大きく、仕事が忙しいときも辞めたいと思ったことは一度もなかった。獅子ヶ谷などが担当地域になる第8分団に所属し、分団長や本部部長なども歴任。「すべては家族のおかげ」。自営業者や会社員などから成る消防団の訓練は、夜間や土日がほとんど。「娘には、大変なのはお母さんなんだからと言われる」。苦笑いしつつも、「活動のために一番必要なのは家族の理解」とする言葉に、長年の感謝の気持ちがにじむ。
○…普段は、米店の店主。戦後、配給所が民営化された時代から父が営んできた店を受け継いだ。家業と消防団の活動とで、ほとんど休みはない状態。「家族からは、いなくて当たり前だと思われている」と自嘲する。
○…自然災害が多い近年。「公設消防にも限界がある」。すべての団員が、資機材の取り扱いなどの基礎をこなせるよう、底上げに力を入れていく考え。時代の流れもあってか、成り手の少ない状況も、地道なPRで解決を目ざす。まずは、現状約9割で、市内18区中最下位という充足率を100%にするのが目標だ。「ただ、本当は、我々の努力が無駄になるのが一番良いんだけどね」。平穏を願いながら、今日も”いざ”へ備える。
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