「運転手さん、止まってくれてありがとう」――信号のない横断歩道での一時停止を促進しようと、鶴見区と鶴見警察署が協力し、小学生を対象とした「ありがとう運動」を開始した。4月16日には、寺尾小学校そばの横断歩道で、下校時の児童らに指導。「区内全域に広げ、交通安全に取り組みたい」と関係者らは意気込んでいる。
信号のない横断歩道 8割止まらず
きっかけは、昨年、スクールゾーン対策協議会の中で、「横断歩道を渡ろうとしても車がなかなか停止しないので渡れない」という要望などがあったことだ。
区の担当者が、JAF(日本自動車連盟)による「交通マナーに関するアンケート調査」の結果を調べたところ、信号機のない横断歩道での一時停止率が、神奈川県は23・4%で全国平均21・3%を超えたものの、8割弱が止まらないという結果だったという。
さらに、一昨年ワースト1位の3・4%だった三重県が、取り締まり強化と子どもたちによる御礼活動により、27・1%に改善したという結果を受け、「鶴見区でも活動推進を」と企画された。
鶴見警察交通課は「一台やり過ごせば渡れる状況とは違い、交通量の多い都市部で8割弱というのは、日常的に危険な状況」と分析。運動を通し、自動車と歩行者が相互に思いやる状況を醸成したい考えを示す。
市立小で推進へ
新たな交通安全活動として始まった取組では、今年度の新1年生向けの安全教室の際、鶴見警察が児童に渡り方を説明。区が小学校側と調整しながら、学校周辺の信号のない横断歩道で運動を推進していく。
運動開始日となった16日には、昨年、実際に交通事故が発生したという寺尾小学校そばの横断歩道で実施。渡り終えた子どもたちが、一時停止した運転手に頭を下げると、運転手が応える場面などもあった。
子どもたちからは「いつも御礼している」という声も上がる一方、「止まってくれないことが多い」と口を揃えていた。
昨年一年間の区内の小学生が絡む交通事故件数は26件で、前年比14件増と倍増。そのうち歩行中が14件と半数以上を占めている。
今後は区内市立小学校で運動を実施しながら、幼児や高齢者などにも普及させたいとしている。
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