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鶴見区 人物風土記

公開日:2021.04.29

鶴見田祭り保存会の会長などとして、地域活動に尽力する
池田 昇さん
諏訪坂在住 80歳

柔よく、和を創り出す

 ○…会長を務める田祭り保存会が、(一財)地域伝統芸能活用センターによる地域伝統芸能大賞の地域振興賞に選出された。全国規模の賞を喜びつつ、「代表でもなく、代理。私は何も貢献していない」と謙遜する。2017年に会長就任後、大きな賞は2つ目で市の無形民俗文化財にも登録。「宮司に3つもすごいねと言われて。何か持っていますかね」。冗談めかし柔和に笑う。

 ○…代々諏訪坂に住む。現役時代は、東急電鉄(株)一筋40年。「夏場に混む伊豆急行に、増便のために車両を運んだり。都会の車両は使用頻度が高いから頑丈なんですよ」。車両販売などで全国を飛び回った。多忙の日々の傍ら、町会役員だった母、連合町内会長まで務めたおじの背中を見て、「いつか自分もと片隅で思っていた」。定年後に参加した地域活動。諏訪坂自治会の会長は12年目を迎える。

 ○…「息抜きは特にない」と言うが、30年続いているというフィットネスクラブ通いは今も欠かしていない。「水泳に筋力トレーニング。一回2時間くらいですかね」。コロナ禍で自治会活動が停滞気味になっていることもあり、「行けるときに行っていますが、今は週5、6日」と笑う。

 ○…「団体を動かすのは権力じゃない」。会社組織の経験から我を通さないことを心がける。「会長はサポート、まとめ役」。今年は無観客となる田祭り。仕事後の夜に集まり練習を重ねる演者のため、練習会には毎回顔を出すと決めている。「原動力なんて考えたことない」と答えた活動の源。「無償の喜びかな」。結果についてくるやりがい。「3世代かかわる演者もいる。みんなでつないだ歴史に参加してくれる人が、これからも増えるといい」。そう言ってまたほほ笑んだ。

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