津軽三味線を全国に広めた第一人者・初代高橋竹山の最後の内弟子 高橋 竹童さん 駒岡在住 51歳
追い続ける「師の音色」
○…津軽三味線の独奏という芸域を切り開いた第一人者・故初代高橋竹山の最後の内弟子。胡弓や三線などにも堪能で全国はもちろん海外公演も行うなど活躍を見せるが、目線は常に上を見ている。「演奏上の理想は師の音。演奏活動30年以上ですが、まだ一度も出せたことがないです」。師の姿を追い求める。
○…新潟の割烹料理屋に生まれた。津軽三味線を始めたのは9歳。「初めは嫌で。年寄りがやるものだってひやかされましたから」。商業高校に通ったが、当時はやりたいことがなく、津軽三味線の道を志すことに。竹山に弟子入りを志願するも、断られ続けた。「もともと盲目の人が始めた芸。五体満足に生まれてこんな楽器やるなって」。根負けさせ、内弟子として過ごした5年間は濃密なものだった。「自分が鼻を高くして人の演奏にああだのこうだの言っている時に『黙って上手になる奴が勝ちだ』と言われて」。名言は数えきれない。「人生に迷うと師を思い出します」。人を教わってきた。「師やこの楽器があったから見る目や聞く耳がついた。今では人生の一部です」
○…鶴見に来たのは10年ほど前。愛犬の柴犬と三ツ池公園をよく散歩する。三線も達者なため仕事柄、沖縄に百回以上訪れたことがあり、沖縄物産センターにもよく足を運ぶ。「良い所。鶴見に骨をうずめるつもり」
○…コロナ禍で対面公演が難しくなった。「生の演奏を渇望してます」と笑う。配信など手段はあるが、生の演奏にこだわるのは理由がある。「耳だけじゃない。手とか体とか、色々な部分で聞いてるんだと思うんです。だからやっぱり生の演奏を多くの人に聞いてほしい」。魅力を伝えるため、どこまでも理想を追いながら、前に進む。
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