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鶴見区 人物風土記

公開日:2022.02.03

NPO法人子どもと共に歩むフリースペースたんぽぽの理事長を務める
青島 美千代さん
東寺尾在住 62歳

ともに悩める居場所を

 ○…佃野町にある子どもや若者たちの居場所「フリースペースたんぽぽ」で様々な相談にのる。「中には長文のメールで来ることもある。返信に30分近く考えちゃったりします」。コロナ禍を背景に増えているという相談。「同じ思いをしている人がいることを知ってほしい。一緒に考えたり、悩んだりできる場所でありたい」

 ○…長年学童で働いてきた。結婚を機に鶴見に来て30年。息子は、小学5年生の頃に学校に行かなくなった。「物を返してくれない」などという声に、自分の意思をしっかり伝えるよう助言していたが、状況は好転しなかった。「給食袋がゴミ箱に落ちてた」と息子が話した時「もういかなくていいよ」という言葉が出た。「対処したけど、できなかったんだって気付いて」。仕事を辞め、たんぽぽを開いた。「自分も疲れていた。つながりがほしかった」。たんぽぽには、昼間外出できない、食欲がなく痩せてしまう、様々な子がいた。「友達とマクドナルドに行きたかった」という声を聞いた時は涙が出た。「すぐに解決する問題じゃない。傷は持ち続ける。それでも、楽しい人生を送れるように」

 ○…趣味は韓流ドラマ。疲れている時は楽しいものを選ぶなど、気分に合わせて観る。俳優の声を聞きたいがため、いつも吹き替えでなく、字幕。「集中してすぐ時間が経っちゃう」と笑う。

 ○…「不登校になったことで、孤立してしまうことは怖い。最悪、犯罪や命にかかわることもある」。大切にしたいつながり。たんぽぽでは定期的に行う地域向けバザーのほか、3月からは居場所の支援者を中心に食品配布会の開催も考えている。「家庭以外にもSOSを出せる人ができるといい」。悩む親や子に寄りそい、活動を続ける。

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