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鶴見区 文化

公開日:2025.09.04

日本オペラの原点・横浜
思い継ぎクオーレ・ド・オペラが公演

  • ゲーテ座、横浜 (『The Far East』 Vol.I, No. XIV より) / 1870年(明治3年) / 横浜美術館蔵

  • (左から)藪西さん、西野さん、岩崎さん

  • 『ラ・ボエーム』に出演するキャストと指揮者、演出家

 日本人による初のオペラは1903年、東京の奏楽堂で東京音楽学校(現東京藝術大学)学生による公演だが、日本初の本格的オペラの上演はそれから30年以上も前の横浜だった――。オペラに詳しい横浜市立大学の岩崎徹准教授と、横浜でのオペラ上演にこだわるクオーレ・ド・オペラの公演監督の藪西正道さん、同音楽監督の西野薫さんに話を聞いた。

   ◇   ◇

 日本のオペラ発祥の地については諸説あるが、本格オペラ上演であれば、1870年の横浜だという。イギリス人アマチュア団体が横浜外国人居留地にあった中華劇場でオペラ『コックスとボックス』を上演した。これ以降、本町通りにあった本格的西洋劇場「横浜ゲーテ座」で同作品が度々、上演されるようになる。岩崎准教授は、「1911年に東京に帝国劇場ができるまで、横浜が日本におけるオペラ文化の発信の中心だったことは間違いない」と話す。

 当時、ゲーテ座で公演されていたオペラは、少人数で音楽構成もシンプルなものだった。内容もコメディが多く、娯楽の一つとして愛されていたという。「ファンのすそ野を広げる意味でも大きな影響を果たした」と岩崎准教授は指摘する。藪西さんや西野さんが立ち上げたクオーレ・ド・オペラも、大がかりな舞台装置や衣装、オーケストラを極限までシンプルにし、公演のハードルを下げて若手が出演する機会を創出している。藪西さんは「当時のゲーテ座のやり方に近かったんですね」と感慨深げだ。

 現在では、高尚で敷居が高いイメージが強いオペラだが、「身近で親しみやすい作品もあるということを知ってほしい」と西野さんは話す。

『ラ・ボエーム』20組40人を招待

 オペラの神髄を目指す「クオーレ・ド・オペラ」が10月8日(水)に公演する演目は、若き芸術家の夢と友情と愛を描いたプッチーニ作曲の『ラ・ボエーム』だ。西野さんは「出演者とリンクする内容なので、稽古場はリアル・ボエームです」と笑う。特に若い人たちに見てほしいと呼びかける。横浜市市民文化会館関内ホール=中区=で午後6時15分開演。

 チケットは全席指定で一般7000円、25歳以下2000円。チケットぴあのPコードは296406。

 抽選で読者20組40人を招待する。Eメールで件名に「ラ・ボエーム招待」とした上で〒住所、氏名、年齢、電話番号を記載し、【メール】opera@cuoredopera.comへ。当選者にはメールで通知。締め切りは9月30日(火)午後6時。(問)【電話】080・9561・7451

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