地域住民の身近な相談相手として、高齢者宅などを訪問する民生委員のなり手不足が神奈川区内でも顕在化している。配置基準は315人だが、今年度の登録者数は298人にとどまり、民生委員自身の高齢化も深刻さを増している。
民生委員は非常勤の公務員で、自治会町内会長などから推薦された候補者が、厚生労働大臣に委嘱されてボランティアとして活動する。任期は3年。地域住民の一員として高齢者の見守り活動などを行い、必要に応じて地域の専門機関へ報告する「つなぎ役」を担う。
横浜市の基準では、200〜440世帯に一人を配置することになっている。区内では定員315人に対し、298人。区福祉保健課によると「民生委員の重要度はますばかりだが、ここ数年、充足していない」という。
平均年齢70歳
厚生労働省は「民生委員は75歳未満の者を選任するよう努めること」としている。区民生委員児童委員協議会の河原史郎会長が住む菅田地区では、定員16人に対し15人。同地区でもなり手不足は深刻で、ここ数年で平均年齢が70歳に達した。つまり、「定年」まで5年を切った計算だ。河原会長は「超高齢社会に向けて、地域が一丸となって推薦者を出そうという姿勢が重要だ」と力説する。
小泉善一さん(62)は5年前、河原会長から民生委員に推薦された。以来、高齢者宅への訪問を続けている。この夏には、自身が前立腺がんの手術を受けたばかりだが、「訪問先の笑顔が元気の源。後継者もいないので、できるだけ続けていきたい」と話す。
ひとり暮らし高齢者宅訪問
75歳以上でひとり暮らしの区民は現在、7896人。民生委員らは9月から、新たに75歳になった高齢者や75歳以上の新住人など1126人への訪問活動をスタートさせ、地域情報の提供や「お困り事」の相談を受けている。
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