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公開日:2019.12.19

子安浜の漁業史を後世に
転業企業がDVD製作

  • DVDを手にする鈴木社長

 子安浜は江戸時代から続く漁師町だ。埋め立て事業や海洋汚染の影響で廃業を余儀なくされた漁業組合の役員らが、転業対策として警備・清掃に携わる企業を創立した。ジャパントータルサービス(株)の鈴木武代表取締役はこのたび、先代の想いを後世に残そうとDVDを製作した。

 同社は、1972年に漁業者からの転業対策として前身企業である「東西興業株式会社」を創立した。創業者であり東浜漁業組合長だった鈴木武助氏は、創立25年誌を1997年に発刊。この25年誌は会社の歴史と漁業の歴史が混在している。

 2代目社長である鈴木武氏は「作家志望だった父は『漁業史を作りたい』と言っていた。父の思いを受け継ぎ、子安浜の漁業の歴史を映像化することを思いついた」とDVD製作のきっかけを説明する。

 江戸時代から続いた歴史を後世に伝えることを念頭に、昨年10月から『新しき道のしるべに〜子安浜漁業500年の軌跡〜』の製作をスタートさせた。

組合員400人も登場

 鈴木社長自ら25年誌を基に脚本を作り、写真やナレーションを加え、子安浜に伝わる伝説や漁業の歴史をまとめ上げた。こだわったのは、DVDジャケットにも使用している大黒ふ頭の記念碑。この記念碑には、廃業を余儀なくされた組合員の名前が記されているが、エンドロールで400人の名前を登場させた。

 完成したDVDは関係者や希望者に配る予定。「過去の苦労があって今がある。次代を担う子どもたちにも見てもらい、『諦めなければいつか報われる』ということを学んでもらいたい」と抱負を語った。

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