よこはま動物園ズーラシアが、絶滅危惧種に指定される「ツシマヤマネコ」の人工繁殖に成功した。人工授精による繁殖は国内初となる。
ツシマヤマネコは、長崎県対馬にのみ100匹ほど生息する固有種。飼い猫と同じほどの大きさで、耳の後ろの白い斑紋と太く長い尻尾が特徴。生息環境の悪化などで数が減り、1971年に国の天然記念物、94年には国内希少野生動植物種に指定されている。
ズーラシアでは、環境省のツシマヤマネコ保護増殖事業に基づき2006年から飼育を開始。19年度からは、国内では同園のみが有する人工授精技術を用いて繁殖に取り組み、今年3月上旬に5歳のメス「マミ」の妊娠を確認。18日に赤ちゃんが誕生した。
生後1日までは母親が面倒を見ていたが、母乳の出が悪かったため人工哺育に切り替えて成育。公開や愛称の募集は未定という。
ネコ科動物は動物園で飼育される動物の中でも生理学・解剖学的に人工繁殖が難しいとされ、園の職員は「絶滅危惧種であるツシマヤマネコの保全に、当園の技術で貢献できたことがとてもうれしい。国内にツシマヤマネコという絶滅危惧種がいることを知ってもらい、動物園が行っている『種の保存』の役割や取り組みを知ってもらう機会になれば」と話している。
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