毒物や爆発物などを使った無差別テロ災害に備え、神奈川消防署は15日にニッパツ三ツ沢球技場=三ツ沢西町=周辺で合同訓練を行った。
東京五輪・パラリンピックの開催を控え、NBC(核・生物・化学)災害への対応を目的としたもの。消防隊や神奈川消防団、三ツ沢公園職員、球技場に隣接する横浜市立市民病院スタッフなど延べ70人近くが参加し、初動対応や救助、除染など一連の流れを確認した。
訓練は、球技場内のトイレで爆発があり、有毒ガスが発生して複数の傷病者が取り残されたことを想定して実施。防護服を着た隊員らは線量計などで周辺の汚染状況を確認しながら現場に近づき、倒れ込んだ人を救出してトリアージを行った。毒物が硫化水素と確認されると、トイレ内や周囲の除染作業にあたった。
球技場近くに設置された仮救護所では二次トリアージが行われ、消防団員らがトリアージのタグの扱い方を学んだほか、医師らが応急処置などに対応した。
市民病院の伊巻尚平医師は「化学災害では、消防の方がいかに早く安全を確認して現場に突入し、一般的な災害救急活動につなげていけるかがポイントになる。訓練を通して皆が災害に対して同じ考え方を持つことも重要だ」と振り返り、星野雅明署長は「(ニッパツ三ツ沢球技場では)多くの方が訪れるサッカー競技や学生が参加する陸上の大会などが行われる。いつ起きるか分からない事故や災害に向け、訓練を通していかに対応すべきか検証することができたのではないか」と総括した。
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