コロナ禍の影響で苦境に立たされている飲食店を支援しようと、横浜市が昨年12月から始めたレシートを活用した市内飲食店利用促進事業「レシ活チャレンジ」(レシ活)の利用が、想定を大幅に下回っている。1月13日時点でのポイント還元金額は上限の5%程度にとどまっており、市は利用促進に向けたPRなどを強化する方針だ。
スマホでの撮影「手間」
「レシ活」は、神奈川県が発行する「感染防止対策取組書」を掲示している市内飲食店を利用し、スマートフォン用アプリ「ONE」で会計時のレシートと取組書を撮影・投稿することで支払金額の5%がポイントとして後日還元(上限1万円)されるもの。事業は2月末まで。
市は総還元額2億円、事業効果額を40億円と見込む。しかし市経済局商業振興課によると、1月13日現在の投稿件数は4万8078件、総利用額が1億8984万2886円。還元額は約950万円(4・75%)と低迷しており、市の担当者は「(想定より)遅いペース」と漏らす。
40億円という事業効果は、総務省のデータをもとに約1万3000店舗の市内飲食店で事業期間中に1店あたり30万円の売り上げアップを含んた試算。しかし、利用者からは「スマートフォンで取組書を撮影するのが手間」といった声も寄せられているといい、市内のタイ料理店オーナーは「(取組書などの)撮影をしているお客さまを見たことがない」と口にする。神奈川県が実施している最大20%をポイント還元するキャッシュレス・消費喚起事業と比べると還元率が見劣りし、利用者が魅力を実感しにくいという指摘もある。
利用方法見直しへ
こうした状況を受け、市では今月中をめどにレシートと取組書の2つを投稿する利用方法を見直し、利便性を向上させる方針だ。低迷の要因を市民への周知不足と見ており、市営地下鉄の電車内での配信広告やデジタルサイネージなどでPRを強化していくという。
市の担当者は「飲食店支援のため、参加方法の修正と広報強化を行い、利用増を目指したい」と話している。
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