戻る

横須賀・三浦 人物風土記

公開日:2026.03.13

三浦海岸を拠点に書道家として活動する
龍玄(りゅうげん)さん
三浦市南下浦町上宮田在住 46歳

  • 龍玄(りゅうげん)さん (写真1)

自己を貫く”墨の一太刀”

 ○…「その筆には龍が宿る」--。精緻でいて荒々しさをも醸し出す筆致に、見る者は思わず息を呑む。三浦海岸を拠点に、看板ロゴの揮毫や個人のサインである「花押」制作などを主軸に活動し、10年超。手掛けた作品は300を数える。

 ○…興味の赴く先へ、脇目も振らず突き進む。20代、その情熱は「空」に向いていた。単身渡米し、ヘリコプターの免許を取得。だが帰国後、プロへの道を模索する中で突きつけられたのは、一分の狂いも許されない数値と、個を消して規則に従う世界だった。「自分を縛りたくない」。その本能的な欲求が、理想と現実の溝を深め、30歳を前に「うつ」を経験。社会から断絶された暗闇の底で、内観の果てに掴み取ったのが、幼少期に褒められた「字を書くこと」だった。

 ○…29歳、ゼロからの入門。師・武田双龍氏のもとで筆を握り、会社員として働く傍ら牙を研いだ。師から雅号「龍玄」を授かり、34歳で安定を捨てて独立。三浦市へは2015年、結婚を機に移り住んだ。「創作には最高の環境」。海の「気」を取り込み大作に向かう日々を送る。3月19日(木)に自宅兼ギャラリーで開かれるイベントでは、大紙に即興で筆を下すパフォーマンスを披露。「見る人の心がパッと晴れるような、そんな響きを届けたい」。アーティストとしての矜持を覗かせる。

 ○…昨年から、学童クラブでの指導も始めるなど、地域とのつながりも強固になりつつある。今後は、「海外の人にも作品を届けたい」。自身の生涯を象徴する一文字に「貫」を挙げる。空の挫折も、会社員時代の葛藤も、すべてはこの一本の道に続く糧だった。自己のスタイルを貫き、見る人の心に清々しい風を吹き込んでいく。

    ピックアップ

    すべて見る

    意見広告・議会報告

    すべて見る

    横須賀・三浦 人物風土記の新着記事

    横須賀・三浦 人物風土記の記事を検索

    コラム

    コラム一覧

    求人特集

    • LINE
    • X
    • Facebook
    • youtube
    • RSS