廃棄予定の食材を活用したビール造りに取り組む 坂本 錦一さん 神大寺在住 28歳
ビール好きが社会貢献へ
○…フードロス問題を逆手に取ったビールの製造・販売を行う会社を昨年3月、神大寺で設立。廃棄予定のパンを原料としたビールは横浜高島屋でも取り扱われ、今年の8月には地元に地ビールを誕生させた。「今回の製造を通して地域の人とつながって、改めて街の魅力を感じた。好きなことを生まれ育った街に還元できて嬉しい」
○…神大寺小、六角橋中の出身。学生時代はフィリピン人の母の帰省に同行し、文化の違いなどを肌で感じながら、自然と海外に携わりたいという思いが芽生えていった。大学卒業後は、フィリピン産のバナナなどを扱う食品関係の会社に就職するも、入社半年で国内の生産者や工場と関わる部署に異動。そこで台風などの天候に生育を左右されて規格外となるフルーツの存在を知るなど、フードロスの現場を目の当たりにしてきた。
○…元々ビールは味が苦手だった。老夫婦が営む六角橋の居酒屋で飲んでみると、店の雰囲気や夏の暑さも相まって初めて美味しいと感じたという。そこからは、横浜赤レンガ倉庫で開催されるビールの祭典「オクトーバーフェスト」に行くようになるなどお酒を通した交流が増え、高校生までの人見知りもどこへやら。「ウイスキーのように静かに飲むのではなく、色んな人と乾杯して交流の輪が広がっていくのが性に合っているのかな」と魅力を語る。
○…防災の日に合わせた備蓄食のフェアでは、アルファ米や乾パンを用いたビールを販売。ラーメンの麺を原料にするビールも開発段階といい、アイデアは幅広い。今後については「今使われていない消防署や倉庫などの施設を有効利用し、自分たちの醸造所を作りたい。それが神大寺で叶えられたら嬉しい」と青写真を描いている。
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