意見広告・議会報告
市政報告 「行くに径に由らず」の政治 自民党横浜市会議員団 小松のりあき
高齢者の皆様の活動的な生活を支える敬老パスは、横浜市にとって大切な制度です。しかし、山中市長が掲げる「敬老パス自己負担ゼロ」の公約には、見過ごすことのできない多くの課題と、市民への「ごまかし」があるのではないかと、私は懸念を抱いております。
「自己負担ゼロ」という言葉は魅力的ですが、その実現には莫大な費用がかかります。敬老パス関連の市の支出は昨年度130億円を超え、令和7年度予算では137億円にまで膨らんでいます。市の予測によれば、2030年には横浜市の財政は502億円もの収支不足に陥るとされています。敬老パス制度が将来的にも維持されるためには、しっかりと財政についての慎重な検討が必要です。
横浜市会では、今後の財政負担の増大についてどのようにすべきか10年をかけて議論を重ねた結果、自民党としては、所得の高い方にはいくらかの自己負担をお願いしたいと訴えてきました。
市長はこのような議論に向き合うことなく、公約実現が困難と見てか、「75歳以上で運転免許を自主返納した方に限り、3年間無料」という策を打ち出しました。しかし、これは本来の「自己負担ゼロ」とは異なります。年間最大2万円余りの負担軽減のために、便利で慣れ親しんだ免許を手放す方がどれほどいるでしょうか。しかも3年後には自己負担が求められます。これは公約達成を装う「ごまかし」ではないでしょうか。
さらに深刻なのは、自己負担ゼロを目指す一方、市民の足である市営バスが運転手不足から減便され、運賃値上げも検討中という現実です。
敬老パス利用者の想定を超える利用は、既に経営が厳しいバス事業者の負担を増やし、サービス低下を招きかねません。これは明らかな矛盾です。
耳障りの良い公約に惑わされることなく、その政策がもたらす長期的な影響、財政への負担、そして将来世代への責任を、私たちは冷静に見極める必要があります。
論語の「行くに径(こみち)に由(よ)らず」の精神で、小細工をすることなく困難な課題にも真正面から向き合い、横浜の確かな未来を築くために、これからも市会でしっかり検討し議論を重ね、反映させていきます。
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