神奈川区 人物風土記
公開日:2026.06.04
単身カンボジアで空手の指導者を務め、現在は大学で同国を研究する 調(しらべ) 邦行さん 神大寺在住 77歳
カンボジア研究と空手指導
○…空手の「櫻空横浜東神奈川支部」の支部長として、神奈川地区センターなどで週に一度指導に当たる。3年前、後進に道を譲るため元来務めた神大寺支部の支部長を退き、空手の裾野を広げようと自ら新支部を立ち上げた。園児から60代まで幅広い世代が通う中、大切にするのは「心と体の成長」だ。技術を磨く過程で、少しでも良くなろうと努力する子どもたちの姿に「成長が目に見えるのが一番嬉しい」と柔和な笑みを浮かべる。
○…空手歴は50年を超える。大学時代、「心が弱く軟弱だった自分を変えたい」と九州の大学で道着に袖を通した。就職を機に神奈川へ移り、一時は中断したが、子育て中に近所の神大寺地区センターで再開。旅行関係の仕事で世界を股にかけて働く中でも、たゆまぬ鍛錬を重ねて全日本空手道連盟6段を取得した。焦らず、自分と向き合い続ける姿勢は空手で養われたもの。「物事から逃げず、一歩踏み出す勇気を得た」と語る。
○…定年後は「発展途上国でボランティアを」と、東京外国語大学で1年間カンボジア語を猛勉強。かつて旅行で訪れた際に見た内戦の爪痕が、支援への思いを強くさせた。61歳で現地へ渡り、日本語学校の手伝いと共に、畳ではなく、公園の石畳の上で「青空空手教室」を無償で開いた。帰国後は、現地で出会った若者たちの力になりたいと大学院へ進学。カンボジア仏教の最高指導者チュオン・ナートの研究に没頭し、73歳で博士号を手にするなど情熱を注ぎ続ける。
○…現地で愛した味は、青いマンゴーのサラダ「ニョアム・スヴァーイ」とアンコールビール。現在も年に数回カンボジアに渡り空手指導を続けており「日本のカンボジア社会にも空手が広まれば」と夢を描く。
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