福祉作業所「はたけベーカリー」をオープンさせた 野口 豪さん 有馬在勤 35歳
農業の可能性、求め続け
○…先月オープンした有馬の作業所では、認知症の高齢者らが栽培した野菜や手作りパンを、障害者である利用者が販売する姿があった。場所は自宅のある世田谷区と大和市に借りた農園の中間地点を選んだ。「将来的には児童の発達支援の事業にも取り組みたい。保育室だったというこの場所で、地域に開かれた農業と福祉の拠点を目指していく」
○…東京都出身。興味がある事には、まい進するタイプ。映画に感化され、高校1年のときにシンクロナイズドスイミングと呼ばれていた水泳競技を始めた。大学時代は介護のアルバイトをしつつ、カンボジアの地雷撤去活動にも取り組んだ。「現地に行くと自分の無力さを痛感した。『できることをやればよい』という当事者の言葉に救われた」と振り返る。
○…循環型社会を学ぼうと訪れた三浦半島での農業体験が、人生の転機。師匠と仰ぐ農家との何気ない会話の中から、多くの気づきを得た。「農業の可能性を追求したい」という思いから、外資系企業の内定を断り、農業の道へ。大学卒業後、障害者らが農業分野で社会参画を実現していく「農福連携」を学んだ。いきいきと農業に取り組む障害者の姿に「自分の選択はまちがっていなかった」と安堵。国内外を渡り歩き、昨年11月に大和市で農園をスタートさせた。
○…2児の父。仕事と子育てで多忙を極める。「好きなことをやっているので苦にならないが、一緒に取り組める同志が欲しい」と吐露。宮前区内にも農園を設け、地域に密着した運営を目指す方針だ。障害者が障害のない人々と普通に生活できる社会を目指す『ノーマライゼーション』。「意識しないで理念を実現できらたいいな」と展望を語った。
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4月19日
4月12日