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宮前区 文化

公開日:2023.01.13

東部62部隊を語り継ぐ会
ハガキ 歴史と太平洋超え
市地域文化に

  • ハガキ両面=川崎市提供

 川崎市地域文化財に宮前区から3件が選ばれたが、もう1件宮前区に由来するのが、幸区の有形文化財(歴史資料)に分類された、「陸軍東部 62 部隊兵士のハガキ」だ。

 区内を中心に、戦争遺跡を平和のために史跡として語り継ぐ活動をしている「みやまえ・東部62部隊を語り継ぐ会」に一昨年2月、「東部62部隊の兵隊が出したはがきを、本人か遺族に返還したい。手掛りはないか」と問い合わせがあったという。米兵が戦地から持ち帰った日本兵の遺品・遺留品を日本に返還する「遺品返還プロジェクト」に参加している「キセキの会」のメンバーからだった。はがきは1944(昭和19)年7月にサイパン島を占領した米軍兵士の家族が保管していた。

 はがきの差出人は「東部第62部隊岡村隊高橋武男」で、宛名は「サイパン島チャランカ国民学校斉藤和夫様」。差出住所は東京赤坂一ツ木町だったが、文面には「この葉書が着くころ我々は〇〇〇に移っている」とあり、移転先は現在の宮前区にあたる。部隊が、東京の赤坂一ツ木兵舎から42(昭和17)年に、現在の宮崎青少年の家や宮崎小学校近辺に移転してくる直前、同部隊所属兵士がサイパン島の友人に宛てたもので、近況を今に伝えている。

79年越しに帰国

 なお、岡村隊について語り継ぐ会が調べたところ、東部62部隊(歩兵第一〇一連隊)を再編成した鵄(とび)三〇六二部隊第五中隊の隊長が岡村卯吉中尉で、差出人の所属はこの中隊だったと判明。同部隊の元隊員が出している戦友会誌『想い出の鵄部隊』を調べたが、宛先含め、これ以上の手掛りはつかめなかったという。

 しかし、「保管と活用をお願いしたい」と語り継ぐ会に寄贈され、はがきは79年の時と太平洋を越えて帰国。市内の陸軍部隊兵士の当時の動静を伝える貴重な資料とされ、文化財認定された。

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