北見方町会の会長として「台風19号」の教訓を伝えるための活動を実践する 藤原 忠興さん 北見方在住 77歳
「判断と行動」で力強く牽引
○…「緊急時に求められるのは素早い判断と行動、現状把握」と語る。昨年の台風19号で、甚大な浸水被害を受けた北見方町会で、役所との連絡、ボランティアの配置など陣頭指揮をとった。自身の家も浸水したが、まず行ったのは町内の被害状況の確認。自転車で周り、防災部長には、各家庭、濡れた畳の廃棄をすぐに行うよう周知してほしいと指示した。「畳は時間が経つと朽ちて運べなくなるから」。水没した各家庭の畳、450畳を3日間で搬出した。
○…「味噌汁とご飯は力になる」と、被災した人やボランティアのために10日間の炊き出しを実施。風呂が壊れ入浴に困る人が多いときは行政に交渉し、シャワー室のある高津スポセンの協力を取り付けた。手助けの要望がない家庭にも積極的に声をかけ町会員であるなしに関わらず気遣った。「やれることは全部やるよ」。その力強い姿勢が北見方町会のみならず、応援に駆け付けた人たちもまとめた。「皆に助けてもらった。人とのつながりはやっぱり大事だなと思う」と笑う。
○…立川市(東京都)出身。結婚とともに北見方へ移り住み50年ほど経つ。定年後、町会役員や保護司を引き受け地域活動に尽力。持ち前の実行力で、バドミントン部やパトロール隊を立ち上げてきた。3年前に会長に就任。2年ほどで終えるつもりだったが、台風が襲撃した。「上に立つ人が迷ったらだめ。方向性を決めれば仲間は動いてくれる」。災害を経験し改めて感じたことだ。
○…1日1万歩、奥さんと歩くことが日課に。最近はロードバイクもはじめ、多摩川河川敷を拠点に走っている。現在はコロナにより、遠出は控えめに。「来年あたり、しまなみ海道でも行けたらいいな」と快活な笑顔を見せた。
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4月26日