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青少年科学館 市民と50年、歩み続く 「子どもへ星空を」原点に

社会

掲載号:2021年7月30日号

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式典時のプラネタリウム
式典時のプラネタリウム

 川崎の子どもたちに美しい星空を見せてあげたい--。そんな願いから、1971年8月に開館した川崎市青少年科学館(かわさき宙(そら)と緑の科学館)=多摩区=が今年、開館50周年を迎える。7月17日の記念式典では、歴代の関係者らが思いを交わした。

 始まりは1968年ごろ。市立学校関係者の間で、理科学習のためのプラネタリウム設置を望む機運が高まった。当時「公害の街」と呼ばれた川崎で子どもたちに満天の星空を見せるべく、川崎天文同好会をはじめとする市民からも設置を求める声が高揚。生田緑地での開館に至った。

 「最初はドームと、プレハブの事務所だけ」。そう振り返るのは、開館当初の職員で元館長、市文化賞受賞者の若宮崇令さん(78)。82年に本館ができ、自然系博物館として市民と協働で地域の自然調査に乗り出した過程をたどり、「大勢の方が協力してくれた。市民はこの科学館を支え高めてくれるパートナー」とかみしめる。

 2012年の全面リニューアルでは、高津区出身のクリエーター・大平貴之さん(51)が開発した世界に一台のプラネタリウム投影機を導入。機種は進化を遂げながらも、同館では一貫して職員による「生解説」にこだわってきた。多くの解説者を育成し、今年3月に亡くなる前日まで投影を続けた河原郁夫さん(享年90)の妻・千鶴さん(89)は、「(郁夫さんは)本当にプラネタリウムが大好きだった。少し具合が悪くても、ここ(解説台)に立つと背筋が伸びると言っていた」と思いをはせる。

 式典には地元議員や教育委員など50人以上が参列。50周年記念番組の投影もあった。川崎市名誉市民で化学者の藤嶋昭さん(79)は、過去に寄贈した望遠鏡が今も使われていることに触れ、「小中学生に、科学を好きになるきっかけをつくってくれている」と謝意を表した。福田紀彦市長は「改めて先人の考えを思い返す機会。さらに次の50年につなげていかなければ」と力を込めた。

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