東芝技術研究所 原子炉施設、再運転へ 市に不安の声相次ぐ
東芝原子力技術研究所(川崎区浮島)が先月28日から試験研究用原子炉施設の運転を再開した。市の危機管理室には市民から不安視する声や問合せが相次いでいるという。
運転を再開したのは研究用原子炉の一種「臨界実験装置」と呼ばれる施設。今年3月4日から運転を停止しており、東日本大震災が起こった11日は稼動していなかった。同研究所は7月から定期的に検査を開始し、11月18日に文部科学省から合格証を受理して運転再開に踏み切った。
川崎市はこの間、今年5月に同研究所に立ち入り検査を実施し、運転の再開にあたっては市に報告することを同研究所に要請。先月24日には同研究所所長に対し、施設に対する情報の公開や安全対策の向上などをまとめた要望書を提出した。今後は「川崎市原子力施設安全対策協議会」を設置し、施設に関する詳細な報告を受けて立ち入り検査を実施する方針。
ただ、同研究所が再開を発表して以降、川崎市には「なぜ再開を許可したのか」「何とかして再開を取りやめられないのか」という不安視する声が1日10件程度のペースで寄せられているという。
市の危機管理室では「公開しないことで市民を不安にさせてしまうこともある。こちらからも積極的な情報開示を東芝側に求めていくしかない」と話している。
同研究所によると、燃料からの放射線量が低いため、遮蔽は必要なく燃料棒を直接取り扱うことができるという。
東芝広報室は「原子力人材育成として研究者の炉物理実験への受入れも行う予定。施設についての情報公開も十分にしている」と話している。
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3月29日