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多摩区・麻生区

公開日:2013.06.07

刑事生活の実録、書籍化
区内在住の島田さん

  • 自分が題材となった本を手にする島田さん

 多摩区在住の元刑事の刑事生活を描いたノンフィクション「刑事の結界〜叩き上げ警部補島田伸一の事件簿」(朝日新聞出版)がこのほど出版された。愚直に真摯な姿勢で数々の凶悪犯に立ち向かうノンキャリ刑事の実録を、新聞記者が小説風に書き下ろした。

 島田さんは1973年に神奈川県警に入り、88年に捜査1課特殊班に配属。警部補に昇進した98年から退職する昨年春までは所轄警察署で刑事生活を送った。

 「刑事の結界」は昨年3月から5月にかけて朝日新聞に連載されていたものを書籍化したもの。島田さんの証言をもとに新聞記者が事実確認や取材を重ねて執筆したという。

 本の中で取り上げられたのは「川崎・2億円竹やぶ置き去り事件」(89年)や「相模原・強盗殺人事件」(05年)など社会を揺るがした凶悪事件や難事件12件。現場の様子や会話のやり取りが簡潔な文で淡々と描かれ、捜査に心血を注いだ島田さんら刑事の心模様や思いを伝えている。

 島田さんは「本が出来上がって嬉しく思う。自分が扱った事件は頭の中に全部残っている。本を通じて多くの刑事が地味に不眠不休で頑張っていることを知ってほしい」と話す。本ではストーカー殺人事件も取り上げられていて「男女のトラブルから殺人事件に発展するケースは多い。トラブルがあれば、警察が取り扱わないということはない。勇気を出して相談してほしい」とも話している。

 「刑事の結界」は四六判全248ページ。定価は1470円。問い合わせは朝日新聞出版(【電話】03・5540・7793)へ。

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