多摩川で外来種カメ増加 NPO「捕獲」で警鐘
多摩川で生態系に悪影響を及ぼす外来種のカメが多数見つかり、NPOのメンバーや市民ボランティアが2日から3日にかけて捕獲作業を行った。多摩川の外来種問題について、行政の対策がなかなか進まない中、市民が警鐘を鳴らす形で動き出した。
「ゴールデンウィーク明けから急に多摩川で目立つようになった」と話すのは捕獲に乗り出したNPO法人「おさかなポストの会」の山崎充哲さん。
同NPOは市民が飼えなくなった魚やカメを引き取り、新しい飼い主を探す活動に取り組んでいるが、多摩区内にあるいけすが満杯になり、4月中旬にカメの受け入れを中止していた経緯がある。在来種への悪影響を心配し、急きょ協力者を募って捕獲に乗り出したという。
捕獲用のカゴを仕掛けたのは河口から約26キロ地点の二ヶ領上河原堰付近。3日に捕らえた25匹のほとんどが環境省の要注意外来生物に指定されているミシシッピアカミミガメ、通称ミドリガメだった。中には体長25センチにも達する個体もあった。在来のイシガメは1匹も捕らえることはできなかった。
山崎さんによると、多摩川の水中ではミドリガメが生態系の頂点という。多摩川全域に生息し、捨てられたペットが定着するだけでなく、繁殖しているとみられる。雑食性で在来種の稚魚を捕食し、在来種の生育に必要な藻や水草を食べ尽くすこともあるという。
「多くの市民に多摩川の実態を知ってもらい、ペットを捨ててはいけないという認識が広がってほしい。このまま放置せず、川から取り上げなければならない」と訴える山崎さん。また、多摩川が都県境にまたがるため、「行政同士が遠慮しあって何もできていないのが現状。縦割りの隙間をどう埋めるかが課題。生態系の問題について行政がもっと踏み込んでほしい」とも指摘する。
捕獲したカメは同NPOの事務所で一時預かり、新しい飼い主を探したいとしている。
|
|
|
|
|
|
3月29日