生田緑地の観光強化を戦略の一つに掲げた、川崎市による10カ年計画「新・かわさき観光振興プラン」が今月始動した。4月14日には、黒岩祐治知事が生田緑地の観光施設3カ所を視察。地元商店主らと意見交換し、集客増に向けた知名度アップなどを目標に挙げた。
観光施策の指針として市が2007年に策定した「かわさき観光振興プラン」。人口減少や少子高齢化、訪日外国人の増加などを踏まえ、市は新たな集客と経済活性化を目指した計画づくりに着手。昨年末から約1カ月間の意見公募(パブリックコメント)を経て、新プランが先月策定された。
計画では「世界に通用する観光づくり」など目標3本柱に、12項目の戦略を設定。戦略の一つ「『生田緑地』の観光強化」では、「集客拡大のための売り込み強化」と題し、緑地のブランド構築や国内外に向けたPR活動促進を2年間の短期目標に盛り込んでいる。
戦略による目標値としては、イベント集客を除く市内主要観光施設25カ所の「入込観光客数」を、1504万人(2014年)から、計画期間終了の22年に2100万人に増やすと設定。首都圏全体での生田緑地の認知度については、38・2%(同年)から神奈川県民の52・7%と同等の50%に引き上げるとしている。
黒岩知事が初視察
14日の視察で黒岩知事は、市立日本民家園と岡本太郎美術館、かわさき宙(そら)と緑の科学館を初めて訪問。意見交換の場で、多摩区商店街連合会の安陪修司会長は「生田緑地に来れば何かやっている、というようなワクワク感を、商店街を通じてつくりたい」、区観光協会の末吉一夫会長は「商店会と連携しながら、生田緑地をさらに発信していきたい」とそれぞれ展望を語った。
県によると、生田緑地6施設の2014年度の入場者総数は約112万人。藤子・F・不二雄ミュージアムが約47万人を占めるのに対し、日本民家園は約12万人、岡本太郎美術館は約7万人にとどまる。黒岩知事は、民家園の外国人入場者数が年間約5千から6千人規模という現状に触れ、「観光客向けに、ホテルなど宿泊施設を近隣に設けられれば」と指摘。川崎市北部への集客増を視野に入れた、ツアー企画の必要性などが話題に上った。
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