川崎市はこのほど、がん検診の自己負担額が無料になるクーポン券を対象者に配布した。
対象になるのは、子宮頸がん検診が20歳(1995年4月2日〜1996年4月1日生まれ)、乳がん検診が40歳(1975年4月2日〜1976年4月1日生まれ)を迎える女性。以前、無料クーポン券を利用しなかった対象者にも再配布し、計7万8600人分を交付した。
今後、市内への転入者にも配布していくという。
受診率は12%台
このクーポン券を利用すると、子宮頸がん、乳がんとも検診代の自費分にあたる1000円が無料になる。しかし、昨年度このクーポン券を利用した人の割合は、対象者に対して子宮頸がん検診が12・6%、乳がん検診が12・5%にとどまった。
この要因について、市では「クーポンが届いた時点で、関心があれば受診してもらえるが、受診率はそれ以降伸びていないのが現状」と頭を悩ませている。
市では、町内会の回覧板や各区イベントで呼びかけているほか、企業とタイアップしてチラシを配布するなど受診を勧奨している。しかし、国が掲げる「受診率50%」にはほど遠いのが現状のようだ。
日本対がん協会によると、子宮頸がんは20〜30代の女性が患うがんの中で最も多く、2014年には6400人以上が死亡しているという。また、乳がんは、30歳から64歳までのがんによる死亡の1位で、日本女性の約12人に1人がかかるという。
しかし、乳がんは早期治療により、10年生存率が90%以上ともいわれている。また、子宮頸がんも早期であれば妊娠の可能性が残ることからも、検診の重要性が非常に高いことがうかがえる。
早期発見・治療で生存率向上へ
がんは、日本人の2人に1人がかかり、そのうち3人に1人が命を落としているという。市では「特に、子宮頸がんと乳がんは早期発見・早期治療ができれば、生存率、治癒率とも格段に高くなる。発見の機会を見逃さないためにも、定期的にがん検診を受けてほしい」と改めて呼びかけている。2015年度まで配布していた大腸がん検診の無料クーポン券は、国の指針で今年度は配布されていない。
問い合わせは川崎市がん検診・特定健診等コールセンター【電話】044・982・0491(平日午前8時30分〜午後5時15分/第2・4土曜午後0時30分)。
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