先月7日、多摩区南生田の2階建て木造住宅が全焼し、男性(79)と女性(80)の夫婦が亡くなった。川崎市内では今年に入り、29日までに70代から80代の4人が住宅火災で死亡。昨年1年間の死者数5人に迫っており、市消防局は住民に注意を呼びかけている。
南生田の火災は7日の午後2時前に出火し、隣接住宅の一部も焼けた。死者が発生した市内の火災は、このほか6日と16日の2件でいずれも川崎区だった。
同局予防課は「まだまだ寒いこれからの季節、火を使用する機会は多い。空気も乾燥して火災が発生しやすくなる」と指摘。「(世代間で支え合う市の取り組み)『地域包括ケア』も活用しながら、高齢者にも呼びかけが直接届くように、引き続き啓発を強化していく」としている。
年明けから29日までの市内火災総数は33件。前年同期比8件減で減少傾向にある。そのうち建物火災は21件だった。多摩区内の火災は6件で、建物火災は前年比2件増の5件。全焼と半焼、部分焼がそれぞれ1件、ぼやが2件だった。
防火対策の一手として、多摩消防署では先月の火災以降、移動中の消防車両からマイクで広報宣伝を実施。また、1年以上前から区内の高齢者向け食事宅配サービス業者と連携し、啓発ちらしを配布している。
住宅火災警報器未設置が1割超
南生田と16日(川崎区)の火災2件については、建物に住宅用火災警報器が設置されていなかったという。
消防法と市の条例により、既存住宅への設置は2011年に義務化されているが、同局によると、昨年6月1日時点で市内の設置率は約82%。市条例では寝室のほか階段や台所など設置場所が定められており、条例通りに設置されている割合は約75%にとどまる。
同局予防課は「火災発生時に逃げ遅れないため、また周囲に火事を知らせるためにも必要。設置率100%を目指して呼びかけを強化していく」としている。
また、住宅火災を防ぐための留意点として、同局では「ストーブの周りに燃えやすい物を置かない」「ガスコンロから離れるときは必ず火を消す」「電気コード・コンセントはタコ足配線をしない」「寝たばこをしない」といった項目を挙げ、周知に力を入れていく方針だ。
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