市政報告 川崎市議会議員 三宅 隆介 救急医療体制に新たな課題 ― 高齢者福祉施設からの救急搬送が急増―
■24時間365日受け入れ可能な病院効果
本市では、救急車が到着してから病院へ向かうまでの現場滞在時間が30分以上も要してしまう割合が、政令指定都市の中で2007年度から3年連続でワーストワンとなりました。(最悪時の割合は16・5%)
そうした状況を踏まえ、私は2010年から当議会において、国の特例病床制度を活用し、三次救急を除く重症患者を24時間365日体制で受け入れる機能を備えた病院の整備を求めました。
その後、2012年に川崎幸病院が24時間365日受け入れ可能な「重症患者救急対応病院」として指定され、高まる救急医療需要を吸収しています。
以来、同病院をはじめ、他の救急告示医療機関や消防局のご努力によってかなりの改善がはかられ、昨年の割合(現場滞在時間30分以上)は6・6%まで低下し最悪時に比べ約10ポイントも減少しています。
しかしながら、本市の救急医療については、新たな問題が発生しています。
■高齢者福祉施設での救急搬送率が急上昇
今から4年前、私は当議会におきまして、高齢者福祉施設における、いわゆる「押し付け救急」問題を取り上げました。
高齢者福祉施設において、平素から為されるべき適切な医学的管理(医療的ケア)が為されていないがために、緊急性を必ずしも要しないにも関わらず、呼ぶ必要のない救急車が呼ばれているのではという実態があります。
当時、高齢者福祉施設における年間救急搬送率は35%でしたが、昨年は47%にまで上昇しています。つまり高齢者福祉施設では2人にひとりが救急搬送されていることになります。
■押し付け救急が急増する2つの理由
「押し付け救急」の理由としては、次の2つもしくはその組み合わせが考えられます。
【1】高齢者福祉施設における医学的管理に問題があること。
つまり日頃からの医学的管理について家族への説明が為されていないなどのため、家族からの苦情回避の手段としてすぐに救急車を呼んでしまうことなどが考えられます。
【2】川崎市の療養病床の「自己完結率」(その地域の患者がその地域の療養病床に入院できる割合)が低いことにより、病状が安定せず本来入院を要する高齢者が老人福祉施設への入所を余儀なくさせられていること。
■多摩区の高齢化スピードは全国でもトップクラス
高齢者福祉施設における年間救急搬送率の高まりは極めて深刻な問題です。このままではせっかく改善した救急搬送時の現場滞在時間30分以上の割合が再び上昇してしまいます。
加えて、川崎市多摩区は全国的にみても65歳以上の高齢者の占める割合が最も急増する地域です。今後20年後に65歳以上の高齢者は1・9倍、2045年には2・0倍に増えますので、これに医学的管理の問題や療養病床の自己完結率の低さがさらに加わると、高齢者福祉施設の「年間救急搬送率」は益々もって高まることとなり、救えるはずの命を救えない事態に至ります。
■外国人専用病院が国民医療を破壊する
川崎市内では療養病床が圧倒的に不足しつつも、医療法上においては既存病床が基準病床を超えており、これ以上は増やせない、つまり急性期病床から療養病床への転換を図る以外には難しいという現実があります。にもかかわらず、本市には外国人のために、日本国民にとって貴重な病床である100床を無理やり奪ってまで外国人専用の医療ツーリズム病院を開設しようという法人があります。
よって、私は当該病院の開設を断固として反対しています。
■私の解決策
そこで私の提案する解決策ですが…
【1】高齢者福祉施設における救急搬送率の悪化問題を「地域医療構想会議」の議題として上程すること。(当該会議が病床数を決める権限を持つ)
【2】その上で、不足する療養病床を確保し「自己完結率」を引き上げること。
【3】高齢者福祉施設における医学的管理を徹底させるため、市独自のルールをつくること。
議会提言したところ、本市当局から、「自己完結率」の向上にむけて当該問題を「地域医療構想会議」に議題として取り上げてもらうべく県と調整する旨の答弁をもらいました。(3月8日、予算審査特別委員会)
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4月19日