小田急線生田駅と生田浄水場の間に位置する、山坂の多い「生田山の手自治会」(望月俊男会長)。高齢化が進む中、バス路線のない同地域に新たな交通手段をつくろうと、自治会内で交通問題推進協議会を今月設立。地元のタクシー会社・生田交通(株)(吉川和位社長)の協力のもと、検討を進めている。
約700世帯の同自治会は坂や狭い道路が多く、交通手段の整備が長年の課題とされてきた。2007年には近隣4自治会で「乗合タクシー」の需要調査を実施。その後も、多摩スポーツセンターの巡回バス活用を打診するなど働きかけてきたが、進展はなかった。
新たに動き出したのはこの夏。川崎市議の各務雅彦さんを交えた意見交換会を皮切りに、生田駅前にタクシー乗り場を持つ生田交通も2回目の話し合いに参加。吉川社長は「営業地盤は生田駅中心。バス路線のないルートであれば、デマンド型タクシー(ルートを決めない乗合タクシー)が認可される可能性もある」と前向きに説明した。
「乗り場」新設案
今月22日に同自治会館で行われた3回目の意見交換会には、市まちづくり局交通政策室の担当者も同席。コミュニティ交通導入までの流れや制度について説明し、生田と中野島をつなぐ乗合タクシーや福祉施設のバス車両活用など、複数案の可能性を探った。
その中で、比較的実現しやすい「自治会内にタクシー乗り場を新設する」案から検討を進めることを決定。乗り場ができれば310円の迎車料金がかからず、利用者の負担が軽減される。まずは場所の候補を自治会内で検討し、来月改めて話し合うことになった。
協議会は望月会長と5人の副会長、民生委員らを中心に発足。各機関との調整役を担う各務さんと、吉川社長が顧問に就いた。今後希望があれば、近隣自治会の参入も受け入れていく考えだ。望月会長は「この地域は65歳以上が3割を超え、交通手段を確保しなければいけない。将来はバスが通ると良いが、それまでにできることを進めていく」と思いを話す。
住民主体の協議会から実現した地域交通の事例として、多摩区では長尾台地区のコミュニティバス「あじさい号」が2014年から運行。麻生区高石地区の「山ゆり号」も、一部多摩区との区境を運行している。
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