子どもの権利侵害や男女平等に関わる人権侵害について、相談と被害救済の申し立てを行う機関「川崎市人権オンブズパーソン」。同機関によると、例年は夏休み明けに子どもからの相談が増える傾向にあるという。4月から人権オンブズパーソンを務める弁護士の大崎克之さんは「子どもから大人まで簡易に相談できる機関。気軽にご利用を」と呼びかける。
同機関では、学校でのいじめや虐待、DVなどについての相談を受けている。現在、4人の専門調査員と2人の人権オンブズパーソンが対応にあたる。
5月公表の報告書によると、昨年度は212件の相談のうち、子どもの相談は118件。相談内容はいじめが34件、学校や施設等の対応の問題が20件、虐待が11件だった。ここ数年の相談件数は200件前後で推移しており、大崎さんは「啓発活動により、認知度は高まってきているように感じる」と語る。
相談は電話と手紙で受付。電話では女性の専門調査員が話を聞き、悩みの解消、解決に向けて一緒に考え、アドバイスなどを送る。必要に応じ、直接会って話しを聞くこともある。
新型コロナによる休校の影響もあり、学校関係の相談件数は減っているものの、「社会問題化しているSNSによる誹謗中傷に対しては、注意していかねばならない」と大崎さん。コロナ禍では児童虐待のリスクが高くなっているともいわれている。大崎さんは「我々もこうしたことを自覚しつつ、相談の際には常にアンテナを張って見逃さないようにしたい」と気を引き締める。
子どもの権利侵害についての相談は【電話】0120・813・887(子ども専用)、【電話】044・813・3110(大人向け)。対応時間など詳細はウェブサイトで確認を。
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