文化や芸術、教育などの分野で顕著な功績を築いた人に贈られる「川崎市文化賞」で、今年度の受賞者に選ばれた若宮崇令さん(77)=長野県在住。川崎市青少年科学館(かわさき宙と緑の科学館)に1971年の開館時から勤め、同館館長や日本プラネタリウム協会会長を歴任した。「いち公務員として、一生懸命仕事をしただけ」と、謙虚に口を開く。
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藤沢で育ち、1967年に神奈川県へ入庁。5年後、科学館開館を機に川崎市に入った。「県立と市立の違いを考え、地域に寄り添う活動をするべきと思っていた。市民に支えられ、市民のための施設になるだろうと」。日本にプラネタリウムがほとんどなかった時代、ただ解説するだけではだめだと「学習投影」を提案。幼児から中学生までが学年ごとに学べる番組を制作した。さらに、全市立小の学校から見える空模様を収めたり、音楽や民話を取り入れたり――新たな試みは他館の手本になった。
自然系の博物館に登録された80年代以降は、市民と協働で植物の調査や標本収集に尽力。その後、文科省が「市民とともに創る新時代博物館」と指標を出したのは2001年のことだ。「40年前、私が旗を振ったことは間違いでなかったと思う」
著名なプラネタリウムクリエイターとなった大平貴之さんのほか、解説者20人以上を育てたことも大きな功績の一つ。定年後は川崎市八ヶ岳少年自然の家(長野県)に身を置き、「川崎の子どもたちに本物の星空を」と奔走。小5と中1で同所に訪れる児童・生徒のために、プログラムや施設を整備した。
昨年まで八ヶ岳総合博物館の館長も務め、澄んだ星空のもと余生を過ごす。「星を知って宇宙を知る、人間を知ることにつながる」と一言。「人間の寿命はせいぜい100年。生まれ合わせている人間同士、地球を破壊するようなこと、争うようなことをしている場合ではない。それに気が付いて、世界が平和になってくれればいい」
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