「バンバンなら私もいける!」
【新台入替】5月16日9:10オープン ポラリス「Sアイムジャグラー」増台
多摩市民館の一室で、静寂の中にペンの音が響く。一人のノートを覗くと、同じ俳句の文字がひたすらに並ぶ――。ここで活動するのは、書を専門とする吉澤一濤さん(76)=枡形在住=が2005年に立ち上げた「多摩ペン字の会」だ。
「ペン習字教室はよく見かけますけど、私が考えたペン字はお手本を写すものではない」。市内で書を教えていた吉澤さんは中国の書道の辞書を研究し、ペン字の基本を習得。地元多摩区で会員を募り、「先生」として会を続けてきた。会員には最初に基礎を教えると、その後は助言する程度。漢字とひらがなを使う俳句を題材に、それぞれが本から選んだ一句を書き繰り返す。「自分で考え、気持ちで書く。私が求めるのは美しさ」
現会員は10人ほど。毎月第2・第4木曜に集まる。9月9日には吉澤さんと会員5人が参加。「先生が一生懸命見てくれるから、休みながらも続けられている」と80代の女性。70代の女性は「一つの句を書いて約2カ月。なかなか癖が取れなくて難しい」と、自身と向き合う。「気持ちを入れて書けば、しっかり考えて書いているんだなとわかる。心が表れるし、だませない」と吉澤さん。満足することなく、文字を見つめる。
![]() 同じ俳句を繰り返し書く会員のノート
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5月13日号