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多摩区・麻生区 文化

公開日:2022.02.25

TARO賞
刺繍、最高賞輝く
入選24者 5月まで展示

  • 岡本太郎賞に選ばれた吉元さんと高さ5メートルの作品「The thread is Eros, It's love!」

  • 岡本敏子賞の三塚さんと作品「Slapstick」

  • 入選した因幡さんの作品「幸辛物語」

 川崎市岡本太郎美術館(枡形)などが主催する「第25回岡本太郎現代芸術賞」(TARO賞)の受賞者が2月18日、同館で発表され、最高位の岡本太郎賞に吉元れい花さん=東京都在住=が選ばれた。刺繍(ししゅう)で表現した吉元さんの作品を含む24者の入選作品は、5月15日(日)まで同館で展示される。

 岡本氏の精神を継承する次代の作家を顕彰してきたTARO賞。今年、578者の応募から選ばれた刺繍家の吉元さんは、5年前に脳卒中で倒れ半年間入院。その間、岡本氏が夢に出てきたという。左半身の自由が利かなくなりながらも、2019年から同賞に挑戦。吉元さんは「自分の中の記憶がどんどんよみがえってきた。岡本太郎先生にありがとうという気持ち」と感謝を語った。

 大賞に次ぐ岡本敏子賞に選ばれたのは三塚新司さん(47)=千葉県在住=の「Slapstick」。「巨大な存在の転倒」の暗示として、6メートルの巨大なバナナの皮をバルーンで表現した。特別賞には4者が選出。展示では、今回2度目の入選となった川崎市在住の画家・因幡都頼さん(33)の作品「幸辛物語」も並んでいる。因幡さんは「見る人によって見え方が変わり、それぞれの物語が生まれれば」と思いを話していた。

 創設から四半世紀を迎えた同賞。入選作品と対峙した審査員らは「今年は例年になく僅差だった」と声を揃えた。同館の土方明司館長は「非常に充実した内容で受賞作を選ぶのは至難の業。入選者には、これをステップにしてさらなるベラボーな作品を作ってもらいたい」と評した。

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