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多摩区・麻生区 文化

公開日:2023.08.25

宿河原は「なんもなくない」

  • イベントへの思いを語る東海林さん=8月18日、ONE_THROWで

  • 元プロボクサー古橋岳也さん(左)も参加=提供

  • ウラシュクフェスの様子=提供

 JR宿河原駅の改札を出て左へ向かい、突き当たりの一帯を「ウラシュク」と名付け、町の魅力を紹介するイベント「ウラシュクフェス」が7月30日に開かれた。

 主催したのは、宿河原にバスケットボールの練習場を設営し、その傍らでコーヒー販売のキッチンカーを営む「ONE_THROW」(_はアンダーバー)代表の東海林佳介さん(30)。東海林さんは地域コミュニティーの創出と、中学から続けてきたバスケットボールのすそ野の拡大を目的に、会社員を辞めて2年前にこの地で起業した。横浜市出身・在住で宿河原に深い縁はなかったが、「運命的に何かに呼ばれたように」探していた条件とかみ合った。

 商いをして地域になじんでいくにつれて、町の課題も見えてきた。「土日になると人がいなくなる。主要都市へのアクセスが良いのが裏目に出て、特に週末は流出が多い」。加えて「宿河原って何もないよね」という風評も耳にした。「店を構える側としては悔しい。良い店はたくさんあるのに。店同士が連携して何かイベントを共有できれば」。そう考えた東海林さんは近隣にある美容室「eight」店主の箕輪和輝さん(40)に声をかけ、飲食ブースなどを用意した小規模の催しを4月に開催。「なんでもない日曜日だけれど、宿河原で過ごす休日を楽しいものにしてほしい」という思いを込め、イベント名を「しゅくじつ」とした。桜の開花も手伝って賑わい普段とは違う客層にも出会えた。

初めての人も大勢 

 手ごたえを感じた東海林さんらは規模拡張を計画。6月頃から準備を重ねて、ウラシュクフェス開催にこぎつけた。当日は14の店舗や企業が参加してエリア内に体験、飲食、休息、運動ができる4つの拠点を設け、来場者をもてなした。「ごちゃごちゃしたイベントだけどそれが宿河原っぽい」と東海林さん。「昼は家族連れ、夜は大人たちがたくさん集まった」と盛況を博したという。

 「常連さんも多かったが初めて会った人も大勢いて、店や企業の認知につながった」とフェスを振り返る東海林さん。一方で、「一回だけでは変わらない。取り組みを継続していきたい」と今後の展開に意欲を見せる。

 ウラシュクフェスは「来年の同じ時期に開催できれば」とし、「秋頃にまた『しゅくじつ』を実施したい」と東海林さん。「人が見える町。お客さんもつながりを求めて来てきてくれている」と宿河原の魅力を述べ、「今後、僕らのような若手の力が、町全体を盛り上げるための役に立てたらうれしい」と語った。

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